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浦賀和宏 ◇「こわれもの」

2013年07月15日 00:00

久しぶりに、本の話など。
本屋をフラフラしてると色んな売り文句が目に入って来るものです。そんな中、目に付いた帯のタタキ文。

  立ち読み厳禁!
読み始めたら止められません。

(  '-')・・・。すごい自信だな。言い切りやがったな。

言い切られたら仕方が無いので買って読んでみました。
(もちろん他にも理由は有りましたが、半分くらいこの文言が決め手だったりします。まんまと釣られたと言う訳です)あ、案の定、読みきるまでノンストップでした。
そして折角読み切ったので、軽めの読書感想文でもという感じです。毎度の如く、予備知識はゼロです。

【Author】浦賀和宏
【Title】こわれもの

【 ミステリ 】

さて今作、巻末には「INSPIRED BY」として、テクノユニット:Orbitalの作品がいくつか並んでいます。よし!聴いてみよう!
"Orbital - Halcyon on and On"

ハルシオン。物語に登場する漫画のヒロインの名で、物語の核を担うキャラクターです。そして曲の方ですが、淡々としたビートに女性のハミングが折り重なっていく、穏やかな癒しを装った滅茶苦茶に不安を煽る音でした。
Orbital、何とも得体の知れぬ音を操る。

閑話休題。以下追記にて感想。

 ある日突然、婚約者の里美を事故で失った漫画家の陣内龍二は、衝撃のあまり、連載中の漫画のヒロインを作中で殺してしまう。ファンレターは罵倒の嵐。だがそのなかに、里美の死を予知する手紙があった。送り主の神埼美佐とは何者か。本当に死を予知する能力があるのか。失われた恋人への狂おしい想いの果てに、陣内が辿り着く予測不能の真実!

文庫本裏のあらすじです。・・・あ、帯に隠れてもう一行。

最後の1ページであなたは何を想いますか?


さて。本作は始終シリアスに進むミステリです。かなりヴァイオレンスな表現も登場しますし、そもそも冒頭で人死にが出てます。
ミステリと言えば謎解き、そして読者と物語の謎をめぐるいたちごっこであります。かく言う私はいつも手放しで騙されながら読み進めるので、本作でも案の定、ラストの畳み掛けるような逆転逆転の連続に頭がクラクラする勢いでした。
種明かしのタイミングで感じるのは「そうなるよねー」などとしれっと納得してみたり「へ?」と一瞬思考が停止したり「成程そうきたか!」と素直に感服したりと色々ですが、今作のラストではこれらがごちゃごちゃと一緒にやってくる感じでした。予想できた逆転の次に膝を打つ様な逆転劇、と思ったのにえ!?そりゃないっすよ!!・・・って、あれ?・・・へ?そうですこれでもかと振り回されました。

このラストに向かって着々と状況を組み上げて行く、といった風情の物語で、謎解き以外の描写等に関しては本当に印象に残らない(もとい、種明かしのインパクトで全て吹っ飛んでしまった)ので、例えば漫画の魅力に囚われたオタクの描写も、ただただ鬼気迫る姿ばかりが印象的です。ヒロインの死が物語の起点なので、必然的に華は排除されております。

そんなこんなで。
あらすじの最後の一行。見落としててさっき確認した所なので、ちょっと考えてみます。

私が想うのは、人生の要所要所で自らに言い聞かせる「全部分かってるし何も分からないんだけど、その上で、自分がやると決めた事をやるしか無い」というフレーズでした。なんというか、ちょっとリンクしました。物凄い矛盾してる上に諦観じみた物言いですが、何かを悩んで決断する時は大抵こんな事を考えています。情報や経験なんて、時々「もう詰みだよ~」とか軽薄に言うだけの邪魔者だったりしますから、定期的にブン殴っとかないといけないんです。

何の話でしたっけ。

この物語のラストの先に、救いはあるのかそれとも無いのか。読後感としては、希望と絶望がぴったり打ち消し合って、残るはただどうしようもなく現実のみ、といった風でもあり。
ただ感情移入の結果といたしましては、がんばれ、とだけは言っておきたいと思います。救いがあるかは知ったこっちゃないが、願いだけは厳然とあるのです。
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