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Protest The Hero ♪「Volition」

2013年12月21日 23:34

VolitionProtesttheHero.jpg
【Artist】Protest The Hero >facebook<
【Title】Volition
【Rate】9/10

Metal / Punk / Thrash

バケモノじみた緻密で複雑なテクニックを、全て疾走感のためだけにつぎ込んだ結果。
スラッシーかつ堂々とした突進チューン#1「Clarity」で幕を開ける今作。時に下から捻り上げる様に濃く、時に上に突き抜ける様にのど越し良く、縦横無尽に立ちまわる力強いヴォーカル。ピロピロと始終忙しなく暴れまわりながら緻密に刻みまくるギター。中盤、女性ヴォーカルが加わると音の輪郭もさらりと色を変え、そのままクライマックスへと一気に盛り上がっていく。一曲終わるころにはアクション映画のエンディングを観切った様な達成感が。やった!遂にゴールに辿り着いたんだ!
・・・そんな寝言を一気に吹き飛ばすべく、#2「Drumhead Trial」の鮮烈なイントロが襲いかかる訳だが。当然というか、今作は1曲だけではなく11曲を収録している。カナダ産メタルバンドによる、2013年発表の4thスタジオアルバムである。

ネオクラやスラッシュ、メタルコアを全てミキサーに突っ込み最高速でぎゅんぎゅん回し続ける様な怒涛の展開と圧巻の演奏技術。そして過密とも言える演奏隊に正面からぶつかり全く埋れ無い歌声。デビュー以降ある意味で全くブレない方向性は、メンバーの経験とテクニックの上昇につれどんどんと佇まいを変えている。そんな中で、今作を貫く要素は「圧倒的なスピード感」。これに尽きる。聴者にスピードを体感させるという一点において、如何に彼らがこだわり抜いているか。今作ではそれがそこかしこで伝わってくる。
激情ハードコアを中心に据えながら随所に彼ら一流の弾きまくりリフ・ソロを仕込んでいる前述#2や、素直すぎる疾走ハードロックを軸に展開する#8「Mist」など、弾きまくりの中にシンプルなキレを目玉にしたパートの存在も良いアクセントになっている。おかげで曲内の激しい部分はもちろん、#7「A Life Embossed」の様な容赦の無い凝縮テクニカルチューンがさらに映える映える!
複雑かつ緻密な演奏ゆえに生まれるエグみを抜くアイデアはまだ隠れている。過去作でも何曲かに参加している女性Vo.Jadea Kelly女史が今作では4曲参加しており、要所で華と清涼感を添えている。超速タッピングがイントロからサビから常に駆け回る#4「Without Prejudice」での、やはり駆け回るベースの中で物憂げに旋律をなぞる彼女の歌声は短いパートながら白眉。

透明感のあるバラードで幕を開けるラストトラック#11「Skies」は一際刹那的な情熱を感じさせながら突き進み、そしてイントロの瑞々しさをリフレインして幕を下ろす。#1以上に圧倒的に作品の締めとしてふさわしい曲であり、やはり寝言は寝言だったと筆者は思う訳だがそれはもちろん余談である。

【for fan of what ?】
スピード狂、という意味では差し当たりDragonForceなど想起するが、ファン層が被るかは自信が持てない。ただ共通する部分はあるので、スピードメタルファン等にも勧めてみたい気持ちは強い。
テクニック至上という点でSikth、ハイトーンヴォーカルの存在感では初期Closure In Moscowを連想する。常時ソロを弾き続けるギターという意味ではDance Gavin Danceのファンも、あるいは。その他、疾走メタルコアと聴いて反応した奴は取り敢えず一回聴いとけ。

過去作との比較では、聴いたときの感触が前作よりもさらに1stの頃に近づいた、という印象。今作を目の前にすれば、3rdがかなり難解さを武器にした仕上がりだったと思わされる。
とにかく速い。誰が何と言おうが疾い。一瞬訪れる引きの叙情パートや歌いたくなるメロディーライン、曲を締めくくる時の雄大なスケール感、そして制作のためのファン出資援助(クラウドファンディング)が凄まじい額を記録したニュースすらもはやどうでもいい。走れ。ヘドバンの時間だ。

【↓here is the sound !↓】 曲リストも追記にて。
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Pure Reason Revolution ♪「Amor Vincit Omnia」

2013年10月11日 18:39

PURE REASON REVOLUTION-AMOR VINCIT OMNIA
【Artist】Pure Reason Revolution >facebook<
【Title】Amor Vincit Omnia
【Rate】10/10

Progressive / Alternative / Electronica

哲学者カントの著書「純粋理性批判」にちなんだバンド名「純粋理性の革命」を冠し、'Astral Folk' や 'New prog'とも評されたイギリスの4ピースエレクトロロックによる2009年作2ndフル。タイトルはラテン語の格言「愛は全てに勝つ」。(なお残念ながらこのバンドは既に解散しており、活動中に発表されたスタジオアルバムは全部で3枚。)

80年代New Waveを想起させるギラついたシンセ。そしてそのニヒルな冷徹に乗る、男女のユニゾンVo.と行進のビート。ふいにユニゾンが崩れ折り重なる歌声に続いて、ピアノが温かく差し込む。#1「Les Malheurs」を一曲聴き終わると、存外に歌の輪郭が柔らかく有機的だった事にハッとさせられる。

脳をくすぐる電子音で飾り、キャッチーなヴォーカルでまとめ上げる。そんなエレポップを核にしつつ、様々な音楽からヒントを得て独自の音像を作り上げている。例えば男性Vo.がぐっと目立つ#2「Victorious Cupid」#5「Deus Ex Machina」では、無骨なバンドサウンドがノイズをまとう様。一転してロックが核なのではと思わされる。もちろん彼らにとってはどちらでも良い事だろう。#7「Disconnect」では何食わぬ顔で、ヴォコーダーの声とドリーミーなピコピコが可愛らしい。

そんな様々な顔を見せてくれる今作だが、その幅広さ以上に荘厳さと薄暗さのない交ぜとなった空気がアルバム通して一貫しており、印象に強く残る。特に#3「I) Keep Me Sane/Insane」から#4「II) Apogee III) Requiem For The Lovers」に至る流れは特筆したい。ノスタルジックなシンセと細切れなノイズのビート。セピアにデジタルノイズの混ざるイメージを残し、ギターの降り注ぐ様なサウンドが入り、ぎゅっとスリリングな身体性を得て一気にヒートアップしていく。狂気に呑まれそうな中での葛藤が描かれ、またノスタルジックな静けさに沈んで行くラストまで目まぐるしく展開していく。

エモ・グランジの激情、ゴスペルに通じる壮大で変幻自在の歌声、ポップロックからブレイクビーツまで潜るデジタルサウンドの素養。それらすべてが有機的に混ざりあい、シリアスなドラマ性に満ちた無類のサウンドを描いた一枚としてお勧めしたい。

【for fan of what ?】
音楽性における懐の広さから、音の一部を切り取る毎に様々なバンドが想起される。ロック色の強い展開ではMusePorcupine Tree、デジタル色の強い部分ではZoot WomanShookなどなど。特にPorcupine Treeはメンバーがプロデュースに関わっていたりツアーのサポートに抜擢されたりと言った経歴もある。

不気味の谷を刺激してくる様なジャケットアートも独特で、エレクトロ界隈の奔放さとプログレッシヴ界隈のナルシシズム両方が気になる方など是非。どんな方だ。

【↓here is the sound !↓】 曲リストも追記にて。
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Periphery ♪「Periphery II」

2012年07月25日 03:31

ContentCrusher_periphery__01.jpg
【Artist】Periphery >facebook<
【Title】Periphery II
【Rate】8/10

Progressive / Metal / Experimental

前作から約2年。シンプルに「II」と銘打たれた、2012年作の2ndアルバム。
一聴して何より印象的なのが、表現力豊かに歌い叫ぶヴォーカルのメロディー。アルバムデビューとメンバーチェンジが重なり、前作では部分的な参加だったSpencer Sotelo氏が今作では本領発揮という所か。エモを通過した叙情性たっぷりのメロディーを主軸にしながら、「歌えば天使、唸れば狂犬」のメリハリ効いたヴォーカルを聴かせてくれます。特にヘヴィに疾走する中でパワフルなヴォーカルラインが芯を貫く#5「Scarlet」や、タイトなドラム・ベースの中で切なげに歌い上げる#10「Erised」といった歌をメインに据えたバラード調の曲も目立ち、「歌が主役!」という印象を強く受けます。

しかしながら、7・8弦ギターを操り、重く鋭い刻みと複雑なリズムで翻弄するリフワークはもちろん健在。要所要所で5拍子・7拍子を絡ませつつ、スケール感のあるギターアンサンブルも眩しい#2「Have a Blast」や、イントロから畳み掛ける単音リフと拍をずらしまくるスラッシュリフが凶悪極まりない#9「MAKE TOTAL DESTROY」は白眉。ヴォーカルの仕事で相対的に目立たなくなっていますが、スリリングなフレーズは正に"Periphery節"。サイバーな輪郭を持つシンセワークもどこかふわりと優しげで、水しぶきの似合う清涼感のある音像は健在です。

そして、#1「Muramasa」から#7「Ragnarok」、そして#14「Masamune」へと繋がる、繰り返し登場する歌詞の一節も気になる所。
「ある日何処かで、僕達は堕落(#7では"真夜中の消滅")に出会ったんだ。だけどかすかに見える遠くは綺麗に輝いていて、僕達の最期もこうなんだって。・・・僕達は互いに何も聴こうとしなかった。」
合ってるか自信ないですが翻訳してみました。・・・随分と厭世的なセリフになりました。この3曲の存在が、本作にコンセプチュアルなまとまりを加味してくれています。

セルフタイトルだった前作からそのまま引き続いての「II」でジャケットデザインもほぼ色違いと言った風情の今作。しかしながら、フタを開ければその作風は焼き直しでも何でもない新しいものでした。・・・等と言いつつ聴き進めていけば、前作では埋もれがちだったバンドの武器である"歌とギターの豊かなメロディー"に焦点を当てて目立たせた、不思議と表裏一体の二枚になっているようにも思えてきました。

【for fan of what ?】
引っかかる様なリズムをフルに駆使し、スパークするかの様なガン攻めスタイルが目立った前作に比べれば、かなり大人しくなった印象もある今作。実際、前作はかなりギター主役な一枚でしたし、一転して今作はその辺りバランスが取れている風でもあります。
バランスと言う点では、以前は「Djent」というシーンをガッツリ背負っていた、ある種かなりとんがった作品だった様に思います。そこが今作では「複雑なリズムでグルーヴを演出するプログレメタル」とでも言いましょうか、もっと中庸な位置に動いた印象です。今作は4拍子+シンコペーションに拘らず、普通に変拍子も使ってますし。
そう言う意味で、今作はSikthAliasesProtest The Hero等の、テクニカル・プログレッシヴなメタルコア界隈のファンに広くオススメし易い感じになっていると思います。

・・・前作に引き続き、CD容量限界まで収録した約70分のボリュームは少々とっつきにくいか。
【↓here is the sound !↓】 曲リストも追記にて。
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Polinski ♪「Labyrinths」

2012年01月11日 21:54

Polinski-350x350.jpg
【Artist】Polinski >facebook<
【Title】Labyrinths
【Rate】7/10

Dance / Noise

轟音×ブレイクビーツなインストバンド:65daysofstaticsでGt.とラップトップを担当しているメンバーPaul Wolinski氏によるソロデビュー作。2011年作です。

本家65daysofstaticsと比較すると、今作はバンドのエレクトロ要素をぐっと凝縮した感じ、と言うのが第一印象です。ギターによる轟音はほとんど無く、ピアノの切なげなサウンドもごく一部。切れ味鋭く跳ねまわる音を駆使して壮大に拡がっていく#1「1985-Quest」を始め、ストイックな4つ打ちをベースにしつつも、ダンサブルと言うよりもスケール感のある、ストーリー性を感じる音像で展開していきます。

さらにノイジーな音のスコールが挟まれる#3「Tangents」や、さっと視界が開けて行く様な高揚感のある#7「Awaltzoflight」の様な65dosに近い曲も。完全にエレクトロ!な今作ではありますが、やはりあのバンドのメンバーなんだと意識させてくれます。中でも#3はダンサブルなパートとの対比が鮮やかで、目まぐるしく印象的な一曲。

【for fan of what ?】
他からの評価ではクラフトワーク初期YMOがよく引き合いに出される様子。デトロイト・テクノ好きには打ってつけ!とのことです。個人的には、Justiceの2ndやTangerine Dreamの様なサウンドとの親和性がポイント高し。
65daysofstaticsとの比較では、最新フル作が最も近いと言えます。「もうソロでやっちゃえよ」的な何かがあったのでしょうか。

【↓here is the sound !↓】 曲リストも追記にて。
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Purpose Effect ♪「PFX EP」

2011年06月23日 20:00

Purpose Effect - PFX EPcover
【Artist】Purpose Effect  >myspace<
【Title】PFX EP
【Rate】10/10

Metal / Pop / Progressive

ドイツ産モダンメタル:ぱーぱす・えふぇくとの、2009年作となる4曲入りデビューEP。

重厚な輪郭ながら、テクニカルに刻むシュレッドリフ。時には変拍子やシンコペーションを駆使し、聴き込むほどに一筋縄ではいかない緻密なフレーズが伏兵しています。また、緩急の合間に差し込まれるベースラインから漂うフュージョンの香りと、エレクトロの要素をぶち込むシンセワークにヴォコーダーヴォイス。どれも露骨にならないながら、力強く大きさを感じさせる拡がりを与えてくれています。
そして最大の特徴であり武器であると言える、Ole氏のヴォーカル。先述ヴォコーダーヴォイスや低音デスVo.を挟みつつも、主軸となるのは朗々とした優しく包み込む様な歌い上げ。目まぐるしい展開もクセのあるリフ捌きも、このヴォーカルラインの存在により、一気にキャッチーにまとまりを得てしまうパワー。

#1「The Purpose Effect」では、冒頭こそラップにも似た畳み掛ける様なスタイルながら、疾走感のあるリフをバックに伸び伸びとしたメロディーで歌うサビなど圧巻。4分半ながら、起承転結のはっきりした展開もアツい。
一転して#2「Ascension」は全編が癒しのヴォーカルに満ち満ちた一曲。セクシーなベースライン、浮遊感のあるシンセワークが随所に散りばめられた静・動の融合した逸品。
スラップベースのリフがメインを張り、デスVo.の比率も高いアグレッシヴな#3「Acceptance」サビで一気にキャッチーに切り替わるタイミングが絶妙。
そして最後の#4「Leap Of Faith」は、さらに攻撃性を増し、イントロからバタバタと前のめりなテンポで攻める。サイバーなシンセとエフェクトヴォーカルが印象的で、他3曲とはかなり趣の違う、カオティックハードコアに近いテンションの曲です。

シャウトとハイトーンの応酬にはもう飽きたよ!テクニカルなメタルにも低いボーカルの渋カッコよさが欲しいよ!と言う方は必見。エモだけがメロディーじゃない事を、彼らが証明してくれます。

【for fan of what ?】
ヴォーカルのメロディックな側面やフュージョン感のあるベースなどはObscuraを思い出させます。ただ、テクニカルな側面やエッジの効いた演奏は目立たないので、必ずしも共通項ばかりとは言えませんが。
あとはふとSpiritual Beggars1st時のVo.JB氏を思い出したりしました。歌唱スタイルは違いますが、あの力強さと優しさはどことなく共通項を感じます。

現状ではまだアルバムデビューしていない様子ですが、かなりのポテンシャルの持ち主。デビューが非常に待ち遠しいバンドです。上記の通り全曲一通り感想書く位に注目してます。

【↓here is the sound !↓】 曲リストも追記にて。
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