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Ketha ♪「2nd Sight」

2013年10月03日 17:57

ketha-2nd sight
【Artist】Ketha >facebook<
【Title】2nd Sight
【Rate】9/10

Metal / Math / Death

ポーランドにて活動する4ピースマスメタルによる2ndフル。2012年作。

呻き声と低音の反響でずぶずぶとお出迎えするイントロトラック#1「generik」を経ての#2「blackpool」でまず圧倒される。退廃的なイントロから一転、神経質に繰り返されるフレーズとリズムを刻む呼吸音とバスドラのシンクロが圧し掛かって来る。
複雑なリズムを駆使した、無感情なミニマルリフ。バキバキと叩きつけるベースの音も実に鋭角的で、ヴォーカルは凄みの効いたグロウルの他、随所で積極的に入る呼吸音や呻き声。その呪術じみた切迫感が作中で一貫しており、それは曲の展開と共に際限なく肥大していく。

また、冒頭の#1を始め、間奏曲がいくつか挟まれる。サイバーな電子要素とサスペンス映画を想起するスピード感が作中でも異端に映る#3「take 1」にノイズとオルガンの物悲しい音がクダを巻くドゥーミーな#6「take 2」、そして怨念の塊の様な冒頭とは逆の、退廃的で人の気配が全くしないアウトロ#10「coda」。毛色の違った1~2分のインタールード達はヴォーカル曲で主軸となる淡々とした攻撃性とのコントラストを生み、アルバム一枚の緊張感に一役買っている。

重苦しい呪術的な音像とどこか酩酊感を覚える曲展開。廃墟や漆黒を連想させ悪夢へと誘ってくれそうだが、こういう音楽をあおって寝入りたい夜も、たまにはある。

【for fan of what ?】
そのリズムとヘヴィネスで押し切る圧力はMeshuggahの「Catch 33」を連想する。その他関連バンドとしてはCiliceやRXYZYXRが挙げられるが、今作は前述の諸バンドに比べるとドス黒さのイメージがより強いだろうか。KethaはDjent界隈で採り上げられる機会も少なくないが、PeripheryFellsilent等のメタルコア勢からは距離がある。切れ味は鋭利で電撃的というよりブロードソードで叩き斬ると言った比喩が似合い、シーン内でも特にリズム面での影響を注目したい。
ちなみに淡々としたマスロックのデスメタル的アプローチ、と捉えるとDon Caballeroに歪みが欲しい方に。また癒されないTOOLや殺伐としたThe Oceanが欲しい方に、等と勧める事も出来そうな予感がするがこれらは相当なこじつけである。

ちなみに同国ポーランドには1990年代に活動していたKobongというバンドがいて彼らが引き合いに出されていたり、現在のポーランドシーンではProghma-Cが近いリフセンスの持ち主だったりする。さらに、元々ポーランドはDjentにおいて独特なシーン形成が注目されてたりもして(そこで言及されるシーンはどちらかというとアンビエント色が強いけど・・・)。あの国には何かがあるのかもしれない。

【↓here is the sound !↓】 曲リストも追記にて。
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Katatonia ♪「Dead End Kings」

2012年09月18日 03:08

deadendkings.jpg
【Artist】Katatonia  >official<
【Title】Dead End Kings
【Rate】9/10

Metal/Rock

この諦観に満ちた音。余りにも柔らかな音。
さて。今作はスウェーデン出身の5人組:カタトニアによる、メンバーチェンジを経ての2012年作9thアルバムです。

荘厳に、しかしどこか距離感を感じるイントロから始まる#1「The Parting」で幕を開ける今作。コーラスではヘヴィなギターサウンドがドラマチックに彩る一方で、全体的にはむしろ静かに、切々とした歌声を中心に展開していきます。
フロントマンでもあるJonas Renkse氏の歌声は本当に情感豊か。温かな丸みを帯びた声は正に沁み込んで行く様で、黄昏時や月夜の似合う優しさと憂いを含んだメロディーが印象的です。

またサウンドは、ズシリと響くドラムやミニマルに刻むギターは随所に敷き詰められてはいるものの、それよりも強く荒涼としたシンセサウンドと"引き"の展開が存在感を主張します。メタル的なリフの応酬は目立たず、ダークなアンビエントの様に、ただただ霧が濃くなっていく様に音が拡がっていきます。
淡々と刻むリフに乗せSilje Wergeland氏との男女デュエットで幻想的に歌う#2「The One You Are Looking For Is Not Here」や、うらぶれたピアノのイントロの#6「Leech」で特に顕著。尖りのある要素からは大きく離れ、全てを諦めきった後の穏やかさと言うべきか、廃墟に浮かぶ幻影を相手に会話をしている様な浮世離れした空気が全編を通して漂っています。
一方で、ダークなプログレッシヴメタル~オルタナロック然とした曲もいくつか見られ、#5「Buildings」#11「Dead Letters」ではアグレッシヴなリフが前面に出て、威圧感をひしひしと感じさせてくれます。特に#11は穏やかな今作の中に会って異端かつ白眉。ヴォーカルこそ一貫して優しいメロディーをなぞりますが、バックサウンドは荒涼とした侘しさと慟哭にも似た激しさを行き来し、ほどける様なアウトロに至るまで一気に駆け抜けていきます。

霧がかったモノクロームの廃墟。その奥に佇む古城で、幻影の皇族に過去の盛衰を訊く。そんな情景の似合う、諦観と少しの苦渋を想起させる一枚でした。


【for fan of what ?】
ちなみに、筆者はKatatonia発表のアルバムをこの「Dead End Kings」しか所有していません。過去作との比較はできない、というかやると確実に薄っぺらくなるので避けました。大御所ですしね。
しかしどうやら、メンバーチェンジによる音の変化はかなり大きい様で・・・。過去作を良く知る方のレビューも併せて参考にして頂ければと思います。

優しく歌い上げるヴォーカルの情感と霧の立ち込める様な音像はOpethRiversidePorcupine Tree周辺のファンに、特にメタルよりもロック/バラードを好む方にお勧めしたい所。時折顔を覗かせるリフ成分としてはやはりReverside、そしてTool「10,000 Days」の好きな方にひっかかるかもしれません。

叫んでヘドバンして、というメタル的な聴き方が今作は全く似合いません。全体的に薄味と言う事もあり、読書や夕方の散歩などなど、BGM的な聴き方をすると凄まじくしっくりくる、と言うのが個人的な印象だったりもします。
【↓here is the sound !↓】 曲リストも追記にて。
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Kylesa ♪「Spiral Shadow」

2011年07月19日 01:23

kylesa_spiral_(big).jpg
【Artist】Kylesa >myspace<
【Title】Spiral Shadow
【Rate】8/10

Metal / Psychedelic / Rock

男女ツインヴォーカル/ツインギターかつツインドラムという特殊編成を武器に攻める。アメリカジョージア州出身の5人組:カイレサの、2010年作5thです。

そろそろと霧が晴れて行く様なイントロで幕を開ける#1「Tired Climb」。クリーントーンのギターがオリエンタルに響く中でどこどこと民族音楽的なドラムがテンションを上げて行き・・・
ディストーションが一気に空気を変える。圧倒的音圧が耳を襲う。
要塞の如き巨大な威圧感を持ったリフと、叩きつける様なシャウト。そして、ミステリアスに漂うメロディーで呼応する女性Vo.の対比。隙間なく空間を埋めて行くドラム。イントロに同じく密やかに落ち着いていくまで僅か3分半、息つく暇が無い。

日本盤帯に「激スラッジからアート・メタルまでを縦横無尽に行き来する・・・」とある通り、ざらりとした質感の荒削りなリフを主体にしつつ、緩急を付けインストパートも重要視。テクニカルなフレーズも織り込み、消化しています。

シンプルなリフとシャウトの中で、高音タッピングフレーズが吹き抜けて行く#2「Cheating Synergy」
埃臭いスラッジなサウンドそのままに、ツインVo.の浮遊感溢れるメロディーはむしろシューゲイザーに近いと思わせる#5「Don't Look Back」など、ガレージロックとポストロックの同居とも言える、ロックのある系譜を縦断している様な音を鳴らしています。

また、女性Vo.を中心にエスニックなメロディーが全編を占める#7「To Forget」などなど、重さや気だるさを重視したミドルチューンが今作では主体となっています。先述#1の様な速い曲は少数派。
とことんダウナーに落としていく中でも、柔らかいメロディーが耳に優しいのも印象的。

全編をまとめ上げるトライバル・プリミティブなツインドラムのリズムと、ミステリアスな魅力を湛えた歌メロ。スラッジコア・ストーナーロックを軸にしつつも、非常に有機的な要素を感じさせる逸品。
【for fan of what ?】
バンド名と関連が深いそうで、よく同じ文脈で語られるとの頃。同じ感覚で、Black Tusk好きな方にも良さげです。
その他、ハードロックにスラッジな埃っぽさをぶち込んだような音楽に興味がある方、どんどこトライバルなドラムが好きな方は是非。ただ今作はメロディーの情報量が多いので、ハードコアの勢いを期待する方は少々やきもきするかもしれません。

「ロックのある系譜を縦断している様な音」と先述しましたが、ブルース~ロック~ハードロック~プログレ~パンク~ハードコア、といった風に色んなジャンルの音を感じて、個人的に面白い感覚でした。クロスオーヴァーともごった煮ともつかない、何処か筋の通った音楽性の同居。興味深いです。

【↓here is the sound !↓】 曲リストも追記にて。
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Kid Kilowatt ♪「Guitar Method 1996-1999」

2011年02月03日 00:00

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【Artist】Kid Kilowatt
【Title】Guitar Method
【Rate】7/10

Hardcore / Punk

Cave InのVo.Stephen BrodskyとBa.Adam McGrathとEulcidからDr.Matt Redmond、ConvergeからGt.Kurt Ballouが参加して結成されたプロジェクトバンド「Kid Kilowatt」の、唯一製作されたアルバム。の、2004年リリースになる新装盤。ボーナストラック3曲が追加されています。タイトルの通り、音源の完成は1999年ですが・・・バンドの自然消滅に伴い、結構間の空いたリリースになった様です。

特にCave In・Convergeは共に、当時既にブチ切れ系カオティックハードコアバンドとして活躍していた存在。そんな彼らが集まって何を演奏していたかと言うと、
パンキッシュな勢いをベースに叙情メロディー、浮遊感のあるギターサウンドをプラスしたロック。
・・・。
ポストハードコアですよコレ!エモい!これすっごいエモいよ!
奇しくもAt The Drive Inと活動時期が似通っているという、実は時代の最先端だった彼ら。こうなるとつい「1999年という昔にこんなことしてたからカッコイイ」という変なバイアスが掛かってしまいがちですが、気を取り直して。それだと軸がブレますから。

インドを思わせるパーカッションサウンドをイントロに、ハードコアなギターとシャウト一歩手前な掛け声ヴォーカルが絡む#1「The Scope」。さらりと挟まれる爽やかアルペジオ、エモーショナルな後半へ鮮やかに転換していく流れがアツい。
そしてパンクの疾走感とテクニックに裏打ちされたリフの切れ味、颯爽としたコーラスの掛け合いが絶妙な#6「7th Inning Song Formation」#7「Bicycle Song」
一方でメロウなアルペジオが心地よい、優しナンバー#10「Memorial Drive」など、ラフなパンクからもう一歩踏み込んだ、幅広くフックの効いた音楽性を見せてくれます。

現在のエモバンドとは違った、パンクな荒削り感。昔のパンクバンドでは先ず見られない、変拍子や緻密な展開。流石カオティックバンドの魂を持つだけあって、一筋縄ではいきません。
【for fan of what ?】
先述At The Drive Inや、パンク寄りのエモを好む方などにオススメ。
あと、Tera Melosの2010年作「Patagonian Rats」も何故か思い出しました。共に、奔放プログレなポップと言えそうな気がします。Kid Kilowattの方がよりキャッチーか。

【↓here is the sound !↓】 曲リストも追記にて。
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Korn♪「Remember Who You Are 」

2010年07月08日 01:47

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【Artist】Korn (myspace:☆☆☆
【Title】III: Remember Who You Are
【Rate】9/10

Hardcore / Metal / Rock

ロス・ロビンソン氏と再び組み、バンド側が非常に強く「原点回帰」を意識した9th。しかしながら過去の経歴を失うものでもなく、むしろ総決算としての良さを感じる。そして、何よりも回帰したのは初期衝動的なエネルギーだと思わされた。

音の質感がかなりソリッドで刺々しい。グルーヴィながら、どこまでも重い独特のリフワーク。全体的にアグレッシヴでフックの効いた重さが印象的。新ドラマー、レイ・ルジアーの力量も凄く、パーカッシヴな音像に一役買っている。
そしてメロディーを歌いながらも狂気が垣間見せる、ジョナサンの歌唱。妙な明るさすら感じるリフが印象的な#6「Lead The Parade」では呪詛とメロディーが激しく交錯し、始終泣き叫ぶ#11「Holding All These Lies」では悲劇的であると同時に、どこまでもドラマチックだ。
そして歌詞の世界観はというと、非常に人間不信的で、結果の不条理を歌ったものが主体の様子。「他人との関わり」に対して色んな面で怖がり、牙をむき、振り回される歌詞世界が広がっているようだ。

音が創り出す世界はどこまでもシリアスで、切迫感に満ちている。悲観的なメロディーと唸りの応酬と、噛みついてくるような前のめりのヘビィネスに圧倒される作品。
【for fan of what ?】
Kornに、陰湿さより怒りを求めるあなたに。・・・分かり難い。少なくともファンに幅広く支持される音だとは思っています。

【↓here is the sound !↓】
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