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Fair To Midland ♪「Arrows & Anchors」

2011年07月14日 01:25

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【Artist】Fair To Midland  >myspace<
【Title】Arrows & Anchors
【Rate】10/10

【 Metal / Progressive / Rock 】

アメリカテキサス州出身の「プログレッシブ・フォーク・メタル」:Fair To Midlandの2011年発表作。(筆者は勝手に彼らを指して「ドワーフメタル」と呼んでいますがそれはそれとして。)

分厚いギターサウンドで刻まれるリフは、メタルともインディーロックともとれる激しくとも有機的な質感。低音重視なドラムや随所に表れるフォーキーな空気なども手伝って、土臭い輪郭を全体に漂わせています。
そして何より特筆すべきは、民謡を思わせる独特なメロディーラインを操るヴォーカル。グロウルも野太く、生々しい響きを持っている。今作ではさらにメロディーを強化した印象で、力強い演奏陣に負けず存在感を持っています。
静かなピアノから始まりテンション高く攻める#3「Musical Chairs」や、『Rikki Tikki』のシャウトも激しく、三拍子の性急なリズムで突進する#10「Rikki Tikki Tavi」などは正に彼らならではの荒々しいパワーに溢れる曲。バンジョーと民族音楽サウンドが効いた#5「Amarillo Sleeps on My Pillow」では、フォークとメタルが高次元で融合した、彼らの真骨頂を感じさせてくれます。

しかし一方で、シンセワークの妙や激しく緩急を付ける展開、そして雑多な音楽要素のせめぎ合いなど、プログレッシヴな側面も魅力。さらに、前作には見られない幅広いクロスオーヴァーっぷりが楽しめます。
アクセル全開疾走ハードコアな#2「Whiskey & Ritalin」や、まさかの踊るスクリーモナンバー#13「Coppertank Island」は衝撃。ピコピコシンセワークや直線的なリズムが芳醇なメロディーとケンカして、得も言われぬインパクトを与えてくれます。

確固とした個性が、ジャンルを渡り歩きながらも崩れないのが見事。モダンかつドワーフ然としたFair To Midlandの世界、お楽しみください。

【for fan of what ?】
Serj Tankian氏(System Of A Down)主催レーベルからのデビュー、という経緯もあり、何となく音楽性も共通する所があります。

前作「Fables From a Mayfly: What I Tell You Three Times」との比較といたしましては、やはりバラエティ豊かな楽曲陣でしょうか。前作の方がコンセプチュアルで統一感のある印象、今作の方が曲ごとのキャラ立ちが強い、と言う印象です。繰り返しになりますが、イントロトラックからの#2は個人的に衝撃でした。
ただ雑多な印象は無く、ファンの期待は裏切らない逸品だと思います。

【↓here is the sound !↓】 曲リストも追記にて。
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The Fall Of Troy ♪「Manipulator」

2011年07月04日 00:27

The_Fall_Of_Troy_-_Manipulator.jpg
【Artist】The Fall Of Troy >myspace<
【Title】Manipulator
【Rate】10/10

Experimenta / Progressive / Punk

既に解散してしまいましたが、「ポストハードコア」というジャンルの先端を突っ走って行った3ピースバンド・The Fall Of Troyの2007年作。

うねるベースと暴れるドラムがギターに負けず響き渡る、贅肉を削ぎ落としたサウンドはパンクの香り。しかしドラムは一度暴れればほぼメタルな勢いで、ベースも自己主張が激しい。
そして直筆すべきは、フロントマンのギターヴォーカル:トーマス・エラック氏の狂気。伸びの良いハイトーンヴォーカルとパンキッシュなシャウトを駆使しつつスラッシーなリフを刻みまくり、歌の隙間を埋めるようにちゅるちゅるピロピロと高音ソロフレーズを挟んで行く手腕。特に今作は、この「歌→ピロピロ→歌→ちゅるちゅる」のセルフ掛け合いが随所で目立ち、結果なんともいえない”3ピースパンクの生々しさ”が際立っています。

三連譜の効いたスラッシュリフに絡むベースラインがおいしい#1「Cut Down All The Trees and Name the Streets After Them」。何とも言えない狡猾な出で立ちのサウンドと、後半の憂いを帯びたコードから物騒なラストへの怒涛の展開がアツい。
80年代メタルを強く意識しつつ、結局別物になっちゃってる#4「Problem!?」。2分に満たない短い間に、目まぐるしくジャンルを渡っていく。
そして、のびやかなソロフレーズが響くイントロから一気にヘビィになだれ込み、緩急付けながらも始終弾きまくる#9「Ex-Creations」は前作ファンも納得の疾走キラーチューン。速さと重さが同居した無類の激しさに圧倒されます。
その他ゆったりメロウな#3「Quarter Past」、疾走ハードコア丸出しな#7「Sledgehammer」、今作のダイジェストを煮詰めて8分半に圧縮した#12「A Man a Plan a Canal Panama」と、キャラの立った曲が目白押しです。

前作「Doppelganger」では「パンクの速さ+高音タッピングフレーズの速さ」という、常軌を逸した疾走感を生み出しやがった彼らですが、今作ではその強みをある程度維持しつつ、隙間や間合いを感じさせるサウンドを打ち出しています。
より狡猾に、そしてよりプログレッシブ(≒謎ジャンル)化したサウンドとなった逸品。

【for fan of what ?】
部分的には初期The Mars Voltaに通じるメロディーセンスがあり、ハードコアにプログレッシブを融合させたと言う意味でも共通項があります。周辺ジャンルを好む人は必聴といいたい名盤。

キャリア内では、初期の前のめり過ぎる勢いと後期のジャンルレス感がせめぎ合っている印象。ちなみに筆者は今作をフェイバリットに挙げています。「荒削りなパンク感」が一番際立っている事と、同時に最もリフの鋭さを感じるからでしょうか。最初に買ったアルバムというのもありますけど。

【↓here is the sound !↓】 曲リストも追記にて。
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The Fall Of Troy ♪「Phantom On the Horizon」

2011年04月09日 00:00

11120.jpg
【Artist】The Fall Of Troy >myspace<
【Title】Phantom On the Horizon
【Rate】9/10

Experimenta / Progressive / Punk

既に解散してしまった、The Fall Of Troy。ポストハードコアの世界を駆け抜けた彼らの2008年作4th。限定生産品で、現在はダウンロード販売のみとなっています。2004年にリリースされた『Ghostship EP』を、Ba.がメンバー変更となった新しい布陣で再現・・・するついでに#2#3を新しく作り、コンセプトアルバムの形にした、と言う物。

音の「間」と「生々しさ」では圧倒的な3ピースという形態。
予想がつかないながらも大きな流れを生むExperimentalというジャンル。
聴衆を否応なくヘドバンに持っていくデストーションとスピード。
ジャンルレスを体現する変幻自在のリズム・構成。
独特の透明感とテンションの高さで曲をまとめあげるVo.

「~に似ている」という表現を排して説明してみると、こんな感じでしょうか。そんな彼らですが・・・

今作は10分越えの#1「Chapter I: Introverting Dimensions」で始まり、しょっぱなからプログレッシヴ・ロックを強く感じさせる。サイケデリックに反響する長いイントロと共に、ひたひたと世界に足を踏み入れる様な一曲。なるほど『幽霊船』と名付けられたEP、あるいは『地平線の幻影』と名付けられた今作と、言葉のイメージが重なる。緩急を付けながらも、始終酩酊感の漂う不穏な音に満ちている。

この曲のせいでとっつきにくさが先行しがちだが、コンパクトな曲の破壊力は今作に置いても圧倒的。
イントロで鳥肌のキラーチューン、#2「Chapter II: A Strange Conversation」。敷き詰められたタッピングフレーズとメタリックなリフは正に彼らの真骨頂。さらに大仰な歌メロが曲にさらなる激しさを加える。
刹那的なメロディーラインと凶暴なシャウトが行き来する#4「Chapter IV: Enter the Black Demon」。徐々に破壊的に盛り上がるクライマックスがアツい。

【for fan of what ?】
バンド史上もっとも仰々しく仕上がっている今作。コンパクトに曲単位で攻める印象の強い彼らですが、今作に限っては一枚まるごとで聴く、と言う感じ。ディスコグラフィーの中では独特な立ち位置になっています。
ただ#2は全The Fall Of Troyファンにお勧めしたいカッコよさ。ポストハードコアファンは入手して損なしかなと。

良く引き合いに出されるバンドとして(特に初期の)The Mars Voltaが挙げられますが、本当に部分的な物です。彼らの様な暑苦しさは無く、もっと無機質で、テクニカル指向バリバリです。

【↓here is the sound !↓】 曲リストも追記にて。
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Fredrik Thordendal's Special Defects♪「Sol Niger Within」

2011年02月12日 02:21

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【Artist】Fredrik Thordendal's Special Defects >myspace<
【Title】Sol Niger Within
【Rate】10/10

Experimental / Metal

リズムの覇者:Meshuggahの鬼才ギタリストであるFredrik Thordendal氏のソロプロジェクト作。初出はおそらく1997年で、2002年、2010年にそれぞれ再販されています。
Meshuggahで既に行っている実験を、多くのゲスト(後述)を招きバンドのフォーマットから解放されることで、どうなるか試してみた。といった風情。明らかにバンドの時より暴れており、曲の複雑さはもはやメタルの体をした現代音楽の実験場とでも言いたくなる仕上がり。

アルバムを通して43分1曲という構成。29のチャプターが割り振られており、音の節目やソロのタイミングなどで分かれています。
曲の印象として、おおまかには4つのまとまりを感じました。以下、網羅的に。

 #1~#8
無機質で淡々とした印象の強い前半戦。執拗に繰り返されるポリリズムが酩酊感を誘う。随所に挟まれるシャウト、もとい断末魔じみた叫びが耳を襲うが、それすらも無感情な音の渦にのまれるようで、何処か虚しく響く。

曲が進むにつれ熱を帯びて行くが、#9「UFOria」で半ば強制的にクールダウンが。

 #10~#17
怪しさのある音色だが、視界が開ける様なソロワークで一気に空気が変わる。引っかかり、うねるリズムに熱気が宿るリフが次々と繰り出され、ノイズの混ざるVo.は吐き捨てるように畳み掛ける。

ノイズが挟まれ、

 #19~#22
ギターサウンドは鳴りを潜め、チャーチオルガンが軸となり展開する。もっとも目まぐるしく奔放で、狂気に彩られた時間。
暴れまわるオルガンの去った後#21~のインパクトは、今作中においても圧倒的。
 アラームの様に反響する音を背後に、複雑なキメの連続。迫る様な威圧感が続く。
 そしてふいに音が全て引き、叩きまくるドラムだけが残り・・・響き渡る、かん高い悲鳴。
 後に続くオルガンの、教会音楽じみた旋律。しかし和音はいびつに響き、嫌な酩酊感を誘う。
・・・まるで痙攣の末の往生を描いているように聴こえてくる。

 #23~#29
憂いを帯びたサックスが随所に入り、拡がり続ける空間が際限なく膨張していく様なラスト。宇宙空間に放り出された様な浮遊感と共に、曲は終わる。


聴いて助長に感じる事はありませんでした。

【for fan of what ?】
最近になって名を散見するようになったジャンル:Djentを追いかけるなら、今作の存在は知っておいて損なしです。ポリリズムとメタルの融合が何たるか、存分に味わう事が出来ます。
そして、彼の評価のひとつ「鬱病のアラン・ホールズワース」の真価が知りたい貴方も是非。存在感のあるリフの上から降りかかり、イビツに重なっていくフレーズ。彼一流のソロワークが全編に渡ってお楽しみいただけます。

時期的にはMeshuggahの2ndアルバム、「DESTROY ERASE IMPROVE(1995)」の次に製作された事になります。今作で試みられた【一作品一曲】というやり方はMeshuggahにも持ち込まれ、バンドならではのドライブ感が絶妙なバランスを生んだミニアルバム「I(2004)」、ミドルテンポで延々と攻め続ける怪作「Chatch 33(2005)」として還元されています。
・・・考え過ぎでしょうか、ジャケのアートワークが「I」と似ています。

【↓here is the sound !↓】 曲リストも追記にて。簡単なゲスト情報も追記にてっ!
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Fear Factory♪「Mechanize」

2010年08月10日 21:22

Fear-Factory-Mechanize-cover-high-res.jpg
【Artist】Fear Factory   >myspace<
【Title】Mechanize (
【Rate】9/10

Hardcore / Metal

無機質スラッシュ、ここに極まれり。

ロサンゼルス州出身、インダストリアルメタルの雄Fear Factoryの2010年作8th。Gt.Dino Cazares氏の復帰とそれに伴うメンバーチェンジ後、初となる作品。
激しくエッジの効いたディストーションサウンドに、リフにシンクロする高速バスドラ。とんでも無い音圧と緊張感に溢れた今作は、キャリア20年のマンネリ感など感じない。ただただ大物の貫禄にひれ伏すのみ。
デスVo.を基調としつつ、浮遊感の中に勇壮さを感じるクリーントーンヴォーカルが曲に緩急を付け、これもまた無機質な世界観を際立たせている。

リフの切れ味がとにかく半端無い。硬質なドラムによって破壊力が倍増し、凡百のメタルを霞ませる正に「メタリック」な鋭い音像を叩きつけてきます。イントロから切り刻まれる#4「Powershifter」とかもう、ホント痺れます。
クリーントーンのメロディーラインが割と似通っていますが、個人的にはシャウトの延長というか、気にならない範囲でした。歌メロ多めでメロディーセンスが映える#3「Fear Campaign」ではギターソロも入り、カナリ隙の無い一曲。歌メロ主体に展開しつつ、シンコペーションの効いたリフが存在感のある#8「Designing The Enemy」も、サイバーなスケール感がアツい曲です。

【for fan of what ?】
無機質な激しさと裏拍バリバリなスラッシュリフはMeshuggahファンに訴えかけてきます。個人的には、Terminal Functionも思い浮かべました。こちらは、プログレをかなり意識してます。
追い出された形になってしまったメンバーのバンド、Arkaeaも忘れずに。こちらも切れ味のいい音してます。

【↓here is the sound !↓】
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