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Periphery ♪「Periphery II」

2012年07月25日 03:31

ContentCrusher_periphery__01.jpg
【Artist】Periphery >facebook<
【Title】Periphery II
【Rate】8/10

Progressive / Metal / Experimental

前作から約2年。シンプルに「II」と銘打たれた、2012年作の2ndアルバム。
一聴して何より印象的なのが、表現力豊かに歌い叫ぶヴォーカルのメロディー。アルバムデビューとメンバーチェンジが重なり、前作では部分的な参加だったSpencer Sotelo氏が今作では本領発揮という所か。エモを通過した叙情性たっぷりのメロディーを主軸にしながら、「歌えば天使、唸れば狂犬」のメリハリ効いたヴォーカルを聴かせてくれます。特にヘヴィに疾走する中でパワフルなヴォーカルラインが芯を貫く#5「Scarlet」や、タイトなドラム・ベースの中で切なげに歌い上げる#10「Erised」といった歌をメインに据えたバラード調の曲も目立ち、「歌が主役!」という印象を強く受けます。

しかしながら、7・8弦ギターを操り、重く鋭い刻みと複雑なリズムで翻弄するリフワークはもちろん健在。要所要所で5拍子・7拍子を絡ませつつ、スケール感のあるギターアンサンブルも眩しい#2「Have a Blast」や、イントロから畳み掛ける単音リフと拍をずらしまくるスラッシュリフが凶悪極まりない#9「MAKE TOTAL DESTROY」は白眉。ヴォーカルの仕事で相対的に目立たなくなっていますが、スリリングなフレーズは正に"Periphery節"。サイバーな輪郭を持つシンセワークもどこかふわりと優しげで、水しぶきの似合う清涼感のある音像は健在です。

そして、#1「Muramasa」から#7「Ragnarok」、そして#14「Masamune」へと繋がる、繰り返し登場する歌詞の一節も気になる所。
「ある日何処かで、僕達は堕落(#7では"真夜中の消滅")に出会ったんだ。だけどかすかに見える遠くは綺麗に輝いていて、僕達の最期もこうなんだって。・・・僕達は互いに何も聴こうとしなかった。」
合ってるか自信ないですが翻訳してみました。・・・随分と厭世的なセリフになりました。この3曲の存在が、本作にコンセプチュアルなまとまりを加味してくれています。

セルフタイトルだった前作からそのまま引き続いての「II」でジャケットデザインもほぼ色違いと言った風情の今作。しかしながら、フタを開ければその作風は焼き直しでも何でもない新しいものでした。・・・等と言いつつ聴き進めていけば、前作では埋もれがちだったバンドの武器である"歌とギターの豊かなメロディー"に焦点を当てて目立たせた、不思議と表裏一体の二枚になっているようにも思えてきました。

【for fan of what ?】
引っかかる様なリズムをフルに駆使し、スパークするかの様なガン攻めスタイルが目立った前作に比べれば、かなり大人しくなった印象もある今作。実際、前作はかなりギター主役な一枚でしたし、一転して今作はその辺りバランスが取れている風でもあります。
バランスと言う点では、以前は「Djent」というシーンをガッツリ背負っていた、ある種かなりとんがった作品だった様に思います。そこが今作では「複雑なリズムでグルーヴを演出するプログレメタル」とでも言いましょうか、もっと中庸な位置に動いた印象です。今作は4拍子+シンコペーションに拘らず、普通に変拍子も使ってますし。
そう言う意味で、今作はSikthAliasesProtest The Hero等の、テクニカル・プログレッシヴなメタルコア界隈のファンに広くオススメし易い感じになっていると思います。

・・・前作に引き続き、CD容量限界まで収録した約70分のボリュームは少々とっつきにくいか。
【↓here is the sound !↓】 曲リストも追記にて。
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The Mars Volta ♪「Noctourniquet」

2012年03月27日 23:54

themarsvolta.jpg
【Artist】The Mars Volta >facebook<
【Title】Noctourniquet
【Rate】8/10

Progressive / Experimental / Latin

極力絞った表現なら、「エモーショナルなヴォーカル+どこまでも内省的なエレクトロ+ジャズとロックを行き来するリズム」(これ位が私の限界)
「Noctourniquet → Nocturne + Tourniquet」と解釈できるだろうか・・・止血帯の夜想曲とは如何に。ポストハードコアの大御所:The Mars Voltaによる6thアルバムです。

冒頭#1「The Whip Hand」から、実に捉え所が無いです。複雑に刻むドラムに無機質なノイズサウンド、ひどく控えめなギターフレーズ。そこに乗るセドリックのハイトーンヴォーカルは情感豊か・・・のはずなのにむしろ無表情さを感じてしまう。浮世離れした浮遊感。
The Mars Voltaを例える時、真っ先に思い浮かべる単語は「密度」「湿気」ですが、今作については「虚無」「揮発」・・・逆の言葉の方が似合います。ダブの要素はアヴァンギャルドなエレクトロに通じる質感で、ロックから片足踏み外したパートをひょいひょいと登場させてくれます。
第一印象としては、前作Octahedron「Teflon」で聴く事の出来る緊迫感をベースに、エレクトロニカの冷徹さと武骨さをぶち込み、さらに分厚かった音を極限まで削ぎ落としたサウンド。

「このアルバムは俺たちが今までにやってきた全てをよりシンプルな形で表現した作品だ」とはフロントマンのギタリスト:オマー氏のコメントです。しかしその「シンプルな形」とは曲の短さや展開という意味よりも、むしろ音の輪郭そのものに表れている様に感じました。
もっともパンキッシュな勢いを感じる曲#9「Molochwalker」で、この今作のシンプルさがかなりはっきり感じ取れます。アグレッシヴでスピーディ、ギターソロだって全開で、ワウの効いたリフと分厚いドラム。しかし音は混然とせずしっかり左右に配置され、さらにシンセサウンドが冷徹な空気でアクセントを付ける。じりじりと間合いを見極める様な、隙間を意識させる音。音圧と生々しさを捨て、否応なく際立っていくメロディーライン。過去作とは似て非なる感覚が実に印象的でした。

「今作はFarewell-Album(お別れのアルバム)だ」というコメントもあります。バンドの動向も気になる所ですが・・・少なくとも音は、別れの物悲しさを滲ませている様に聴こえてきます。溢れる情感を無表情で覆い広い広い空間へと突き放し、延々と遠ざかっていく様な、そんな別れを描いた作品なのかもしれません。

【for fan of what ?】
今までの作品を聴いてきた耳には、かなりの違和感が伴う作品でした。しかし3回聴いてなんかしっくり来始めたので、案外、先入観なしで聴いた方がハマるかもしれません。過去作のリバイバルを求める方には、非常に勧めにくい作品・・・。ただ、5th:Octahedronが好きな方にはすんなり気に入っていただけるかと。

ちなみに、オマー氏のソロで、2010年9月にリリースされた「Tychozorente」というタイトルがありまして。これが物凄い密教感溢れる打楽器と高密度な電子音が詰め込まれたダブステップな一枚だったりします。その他、ソロではエレクトロな音もたびたび登場させていたので、今作はThe Mars Voltaとしてだけでなく、ソロで繰り返した実験結果も総まとめにした、という捉え方もできそうです。・・・ていうか

【↓here is the sound !↓】 曲リストも追記にて。
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Mastodon ♪「The Hunter」

2011年10月08日 23:52

Mastodon_TheHunter.jpg
【Artist】Mastodon >myspace<
【Title】The Hunter
【Rate】8/10

Hardcore / Metal / Progressive

ジョージア州アトランタを拠点とするプログレッシヴメタル4人組:マストドンの通算5作目。

肉厚ソウルフルな歌唱とやはり分厚いギターリフ。どこまでも深くて重いサウンドながら、楽曲そのものはコンパクトにまとまっていて、いわゆる「長尺曲」は皆無。(約半分が3分半以下、最長でも5分半。)曲の起伏や緩急の展開を武器にじわじわと攻める“プログレッシヴメタル”で有名な彼らとしては意外に見える構成の今作です。

ところがフタを開けてみると、やはり長い・・・というより、しっかりと濃密な情報量を持った楽曲が揃っています。
開幕からデーモニッシュなリフとフック効きまくりなヴォーカルラインが熱気全開な#1「Black Tongue」では、長いソロパートがあり、これでもかと堪能できるのに3分半。また突進ナンバーでありながら、どこか憂いを伴ったメロディーの歌が渋い#8「Ory Bone Valley」も、シンプルな構成ながら不思議と噛み応えがある曲です。

そして個人的に特筆すべきなのが、マスロック的なリフの冴えた曲が散見される事。
#2「Curl Of The Burl」のどこか軽やかさすら感じる明るさや#12「Bedazzled Fingernails」のイントロで聴ける小刻みなフレージング等が、相変わらずの暑苦しい歌い上げやサビのヘヴィリフに紛れて、独特なアクセントになっています。

重さを活かしつつカロリー過多にしないバランス、そして何よりも、練られた歌メロがガツンと響く逸品。

【for fan of what ?】
実は筆者、Mastodonの作品を購入したのは今作が初です。気になって調べたり試聴したりは過去も何度かしていましたが、彼らの魅力である「重厚さ」に気合負けしていたというか、毎度避けていました。
今作はその魅力を巧く維持しながらも、より幅広い層に聴かせるだけの進化をしてみせた、のかもしれません。

「複雑プログレッシヴな重厚メタルが聴きたいけどヴァイキングじゃない方がよくて、デス要素も無い方がいいよ!」というちょっと回りくどいリクエストに素敵に応えてくれています。そんなワガママメタラーは是非。
バンドでパッと思いつくのはThe Oceanでしょうか。

【↓here is the sound !↓】 曲リストも追記にて。
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Last Chance To Reason ♪「Level 2」

2011年07月25日 01:37

Last_Chance_To_Reason_-_Level_2_artwork.jpg
【Artist】Last Chance To Reason >myspace<
【Title】Level 2
【Rate】8/10

Experimental / Metal / Progressive

アメリカはメーン州出身のプログレメタル6人衆:ラスト・チャンス・トゥ・リーズン(意訳すると”決断の時”といった風情だろうか)の2ndフル。2011年作です。

浮遊感たっぷりのシンセワークから入る#1「Upload Complete」。ギターが入り勢いづく所だが、シンセの浮遊感そのままにリフは低音で複雑なリズム。凶悪さが際立つ。さらにするりと入ってくるVo.は、エフェクトのかかったやはりサイバーな質感。

最初からキャッチーとは程遠く、不穏な出で立ちで幕を開ける今作。全編に渡りサイバーなシンセが冴えわたり殺伐としたギターとふわりとしたベースが敷き詰められ、Vo.はデス/クリーン/ヴォコーダーヴォイスを切り替えながら泳ぐように曲を渡っていきます。

前作「Level1」ではゲーム「メトロイド」に触発され、今作では逆に、作中の世界観を反映したSFゲームが製作されているとの事。その感覚に沿うなら、今作の音像は正に「SFな世界の中に放りこまれ、手探りで歩を進めて行く」感覚。ゲームって一番最初っから分かりやすく盛り上がらないよねっていう。

時にポリリズミックなリフを刻み、時にフュージョンを思わせる清涼感を伴ったフレーズを操り・・・。全曲シームレスで繋がっていく楽曲陣は、一枚通して一曲といった風情。前後不覚になる勢いで、無機質に淡々と展開していきます。

しょっぱなから目まぐるしい展開で攻めまくり、始終スリリングな#1「Upload Complete」
スケール感のあるサビと難解リズムなリフの対比が激しい#5「Programmed For Battle」
物憂げな歌メロとマスロックなギターアンサンブルが神秘的な#9「The Prototype」
聴き手を圧倒してくる緻密さ、難解さを持ちながらも、エモーショナルなヴォーカルラインやサイバーな音像といった要素は非常にキャッチー。細部の人懐っこさが要所要所で光る、妙な聴き易さも持っている逸品。

【for fan of what ?】
全体的に、Between The Buried And Meの長尺をPeripheryに仕上げてみました」という印象でした。それぞれのファンにはオススメです。特に、BTBAMの最新EPにぐっと来た方は是非。
あとはCynicでしょうか。ヴォコーダーボイスとグロウルの切り替えだったり、リフの方向性も似ている所があります。

【↓here is the sound !↓】 曲リストも追記にて。
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Kylesa ♪「Spiral Shadow」

2011年07月19日 01:23

kylesa_spiral_(big).jpg
【Artist】Kylesa >myspace<
【Title】Spiral Shadow
【Rate】8/10

Metal / Psychedelic / Rock

男女ツインヴォーカル/ツインギターかつツインドラムという特殊編成を武器に攻める。アメリカジョージア州出身の5人組:カイレサの、2010年作5thです。

そろそろと霧が晴れて行く様なイントロで幕を開ける#1「Tired Climb」。クリーントーンのギターがオリエンタルに響く中でどこどこと民族音楽的なドラムがテンションを上げて行き・・・
ディストーションが一気に空気を変える。圧倒的音圧が耳を襲う。
要塞の如き巨大な威圧感を持ったリフと、叩きつける様なシャウト。そして、ミステリアスに漂うメロディーで呼応する女性Vo.の対比。隙間なく空間を埋めて行くドラム。イントロに同じく密やかに落ち着いていくまで僅か3分半、息つく暇が無い。

日本盤帯に「激スラッジからアート・メタルまでを縦横無尽に行き来する・・・」とある通り、ざらりとした質感の荒削りなリフを主体にしつつ、緩急を付けインストパートも重要視。テクニカルなフレーズも織り込み、消化しています。

シンプルなリフとシャウトの中で、高音タッピングフレーズが吹き抜けて行く#2「Cheating Synergy」
埃臭いスラッジなサウンドそのままに、ツインVo.の浮遊感溢れるメロディーはむしろシューゲイザーに近いと思わせる#5「Don't Look Back」など、ガレージロックとポストロックの同居とも言える、ロックのある系譜を縦断している様な音を鳴らしています。

また、女性Vo.を中心にエスニックなメロディーが全編を占める#7「To Forget」などなど、重さや気だるさを重視したミドルチューンが今作では主体となっています。先述#1の様な速い曲は少数派。
とことんダウナーに落としていく中でも、柔らかいメロディーが耳に優しいのも印象的。

全編をまとめ上げるトライバル・プリミティブなツインドラムのリズムと、ミステリアスな魅力を湛えた歌メロ。スラッジコア・ストーナーロックを軸にしつつも、非常に有機的な要素を感じさせる逸品。
【for fan of what ?】
バンド名と関連が深いそうで、よく同じ文脈で語られるとの頃。同じ感覚で、Black Tusk好きな方にも良さげです。
その他、ハードロックにスラッジな埃っぽさをぶち込んだような音楽に興味がある方、どんどこトライバルなドラムが好きな方は是非。ただ今作はメロディーの情報量が多いので、ハードコアの勢いを期待する方は少々やきもきするかもしれません。

「ロックのある系譜を縦断している様な音」と先述しましたが、ブルース~ロック~ハードロック~プログレ~パンク~ハードコア、といった風に色んなジャンルの音を感じて、個人的に面白い感覚でした。クロスオーヴァーともごった煮ともつかない、何処か筋の通った音楽性の同居。興味深いです。

【↓here is the sound !↓】 曲リストも追記にて。
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