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A Sense of Gravity ♪「Travail」

2014年03月14日 22:16

asenseofgravitytravail.jpg
【Artist】A Sense of Gravity >facebook<
【Title】Travail
【Rate】10/10

Djent / Death-Metal / Fusion

鋭さと複雑さをひたすらに追求した全方位隙ナシの快作。
アメリカはシアトル出身の6人組による、過去Bandcampで配布していた曲のリアレンジも含めた1stフルアルバム。2014年作。

仰々しい男声コーラスと共に幕を開ける#1「Wraith」。霧深いサウンドを鳴らすシンセとその中で理知的にリフを敷いていくギター。イントロの印象は壮大で幻想的なプログレッシヴメタル、といった風情だが、地鳴りの様なグロウルと共にそのイメージがあっさりと破壊される。次々とまくし立てる歌詞と前のめりに刻みまくるリフの佇まいは凶悪の一言。しかし一方でサビに入ればオペラを想起させる堂々とした歌唱に変わり、中盤のギターソロパートに至っては伸びやかなフュージョンの香り。シンセは気が付けばおどろおどろしい音で曲の背後を怪しく支えている。なんなんだこいつら。

凄みの利いたグロウルとパワフルな歌い上げを巧みに使い分けるヴォーカルが縦横無尽に暴れ周り、ざくりと分厚い切れ味を持ったギターによる刻みのリフが矢継ぎ早に攻め立て、変拍子やシンコペーションを多用した複雑なリズムが聴き手を圧倒する。そして、一曲の中にいくつものアイデアを詰め込んだ、密度の高い曲展開も無視できない。

ジャズピアノ乱入のアクセントも鮮やかに、全編に渡り和音階リフを叩き込む#2「Stormborn」や、低音のグロウルと高密度なリフとブラストビートで埋め尽くされる#6「Harbinger」の威圧感。激烈デスラッシュにシンフォニックなシンセを混ぜ、搾り出すようなエネルギーと共に突進する#4「Answers Lost」や、倍速チェンバーロックといった風情のイントロからスケール感たっぷりに広がっていくフュージョンメタルチューン#5「Trichotillomania」の叙情性。アグレッシヴな曲を揃えていながら、曲ごとの個性もそれぞれに際立っている。
一方で、しっとりと降り注ぐピアノを主軸に薄暗い空気を満たしていく#3「Breakthrough」や旅愁を覚える乾いたアルペジオギターが目立ち、後半の盛り上がりもメタル・バラードとして秀逸な#9「Weaving Memories」などクリーンヴォーカルのみの曲も、アルバム内でしっかりと存在を主張している。

自らのジャンル説明に"(Math, Djent, Death, Progressive, Shred) Metal,Fusion"と表記している彼ら。細分化されたメタルの要素たちを自らの表現のためにまとめ上げ、鋭さと複雑さをひたすらに追求した楽曲陣。正に全方位隙ナシと言いたくなる、怪作であり快作。

【for fan of what ?】
特に突進力のあるアグレッシヴな部分ではObscuraWhitechapel等のテクニカルデス・デスコアファンに。Djent界隈に注目すると、その奔放な曲展開においてCiliceを、フュージョン要素の落とし込みではSithu Ayeのファンなどに強くお勧めしたい。

【↓here is the sound !↓】 曲リストも追記にて。
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Dance Gavin Dance ♪「Acceptance Speech」

2013年12月04日 19:05

Acceptance_Speech_-_Dance_Gavin_Dance.jpg
【Artist】Dance Gavin Dance >facebook<
【Title】Acceptance Speech
【Rate】10/10

Funk / Psychedelic / Screamo

Gavinは踊るだけでは気が済まない。歌いたいのだ。

アメリカはサクラメント出身の6人組ポストハードコアによる2013年作5thフル(自主制作のデビューEP「Whatever I Say Is Royal Ocean」を含めると6枚目)。
冒頭からの鋭く切れるシャウトに、それをかいくぐるように繰り出されるギターの高音ピロピロフレーズ。そして、少し遅れて登場するクリーンヴォーカルは一転して中性的な透き通ったハイトーン。ダンサブルに跳ねる歌メロパートが終われば再びシャウトとギターの正面衝突・・・。目まぐるしく表情を変え最後のラップで締めるまで、#3「Acceptance Speech」は今の彼らを凝縮した一曲として実に象徴的です。

クリーン・シャウトのツインVo.に、さらにGt./Vo.も叫び(時々)ラップするトリプル仕様のヴォーカルはやはり圧巻。その中でも、メンバーチェンジを経て今回新任となったクリーンVo.Tilian Pearson氏の歌唱は、今作の中でかなり中核を担う存在となっています。DGDと同レーベルRiseRecords所属のバンド:Tides Of Manからやってきた彼。エモ畑の華奢な甘さを持った彼の歌メロセンスは過去作のR&B由来なオトコマエメロディーとはかなり趣を異にして聴こえてきます。
#2「The Robot with Human Hair, Pt. 4」のサビは何回か聴けば鼻歌で追いかけたくなり、#9「Death of the Robot with Human Hair」に至っては全編通して""が付くほどポップな代物で、攻撃的なパートも完全に脇役扱い。

また、今まではヴォーカルを浸食する勢いで前に出ていたギターも、今回は大人しい・・・と見せかけて、「DGD節」とも言える歌いまくりギターは今作でも常に機会を伺っています。
メタルコアに接近する#4「Carve」冒頭の激情スコールや、#10「The Jiggler」で中核を担う、ミドルテンポの馬力あるヘヴィリフ。いつものスペイシーに拡がる高音域のソロフレーズじみたリフ以外にも、随所に印象的なパートがちりばめられていました。

超強力な歌メロを備え、かねてから意識を向けていた予感もあったポップネスへと一気に接近した彼ら。今までの荒々しい武器を丁寧に研ぎ軽やかな清涼感を漂わせるサウンドにファンとして困惑しながら、気が付けば一緒に歌っている自分がいました。

【for fan of what ?】
過去作と比べ、今作は一聴しての印象がかなり違っています。音のバランスが明らかに歌を(シャウト含め)目立たせようとしている。特に前作が原点回帰的な作風だった事もあり、この変化は非常に強く特徴的です。
ファンク&ポップな3rd「Happiness」の路線を改めて発展させ、さらに新Vo.のエッセンスをふんだんに活かした結果ここまでポップに突き抜けたのか、といった風情。
そういえばと言いますか、1stから継続してアートワークを担当しているMattias Adolfsson氏によるジャケットアートも、3rdと似たレイアウトですね。ウォーリーの隠れていそうな異世界描写は今回もステキ可愛い。

そしてこの辺りは邪推ですが、Will Swan氏主宰のレーベルで音源発表したStolasと、彼も参加するスーパーチームSianvarがかなりアグレッシヴで激烈ハードコアな作風を目玉にしています。住み分け・・・!?

The Mars Voltaに端を発するポストハードコアのひとつの流れで語られる彼ら。The Fall of TroyCirca Surviveも引き合いに出されるバンドですが、今回は歌を聴きながらイギリスの大人気ボーイズ・グループやカナダの若き天才シンガーソングライターを思い出しちゃったりしました。・・・関連付けるには多少強引なので明言は避けますけど。
今回の歌声にピンと来たあなたはTides Of Manを聴こう。ぜひ聴こう。

【↓here is the sound !↓】 曲リストも追記にて。
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Pure Reason Revolution ♪「Amor Vincit Omnia」

2013年10月11日 18:39

PURE REASON REVOLUTION-AMOR VINCIT OMNIA
【Artist】Pure Reason Revolution >facebook<
【Title】Amor Vincit Omnia
【Rate】10/10

Progressive / Alternative / Electronica

哲学者カントの著書「純粋理性批判」にちなんだバンド名「純粋理性の革命」を冠し、'Astral Folk' や 'New prog'とも評されたイギリスの4ピースエレクトロロックによる2009年作2ndフル。タイトルはラテン語の格言「愛は全てに勝つ」。(なお残念ながらこのバンドは既に解散しており、活動中に発表されたスタジオアルバムは全部で3枚。)

80年代New Waveを想起させるギラついたシンセ。そしてそのニヒルな冷徹に乗る、男女のユニゾンVo.と行進のビート。ふいにユニゾンが崩れ折り重なる歌声に続いて、ピアノが温かく差し込む。#1「Les Malheurs」を一曲聴き終わると、存外に歌の輪郭が柔らかく有機的だった事にハッとさせられる。

脳をくすぐる電子音で飾り、キャッチーなヴォーカルでまとめ上げる。そんなエレポップを核にしつつ、様々な音楽からヒントを得て独自の音像を作り上げている。例えば男性Vo.がぐっと目立つ#2「Victorious Cupid」#5「Deus Ex Machina」では、無骨なバンドサウンドがノイズをまとう様。一転してロックが核なのではと思わされる。もちろん彼らにとってはどちらでも良い事だろう。#7「Disconnect」では何食わぬ顔で、ヴォコーダーの声とドリーミーなピコピコが可愛らしい。

そんな様々な顔を見せてくれる今作だが、その幅広さ以上に荘厳さと薄暗さのない交ぜとなった空気がアルバム通して一貫しており、印象に強く残る。特に#3「I) Keep Me Sane/Insane」から#4「II) Apogee III) Requiem For The Lovers」に至る流れは特筆したい。ノスタルジックなシンセと細切れなノイズのビート。セピアにデジタルノイズの混ざるイメージを残し、ギターの降り注ぐ様なサウンドが入り、ぎゅっとスリリングな身体性を得て一気にヒートアップしていく。狂気に呑まれそうな中での葛藤が描かれ、またノスタルジックな静けさに沈んで行くラストまで目まぐるしく展開していく。

エモ・グランジの激情、ゴスペルに通じる壮大で変幻自在の歌声、ポップロックからブレイクビーツまで潜るデジタルサウンドの素養。それらすべてが有機的に混ざりあい、シリアスなドラマ性に満ちた無類のサウンドを描いた一枚としてお勧めしたい。

【for fan of what ?】
音楽性における懐の広さから、音の一部を切り取る毎に様々なバンドが想起される。ロック色の強い展開ではMusePorcupine Tree、デジタル色の強い部分ではZoot WomanShookなどなど。特にPorcupine Treeはメンバーがプロデュースに関わっていたりツアーのサポートに抜擢されたりと言った経歴もある。

不気味の谷を刺激してくる様なジャケットアートも独特で、エレクトロ界隈の奔放さとプログレッシヴ界隈のナルシシズム両方が気になる方など是非。どんな方だ。

【↓here is the sound !↓】 曲リストも追記にて。
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22 ♪「Flux」

2013年09月20日 23:17

22flux.jpg
【Artist】22 >facebook<
【Title】Flux
【Rate】10/10

Rock / Experimental / Alternative

ノルウェーの苛烈なる幻想。
"New Energy Music"を標榜するノルウェーの4ピースによる1stフル作。2010年発表。

爽やかさに時折の叙情をブレンドした、叙情のハイトーンヴォーカル。軽やかなリズムに乗る、さらりとした肌触りのクリーントーンギター。・・・と、ここまでであれば優男風のポップロックを紹介する文章だが、そこで終わらないのが彼らである。
シンプルな音そのままに、鋭く攻撃的なリフを刻みまくり変拍子/ポリリズムを駆使し、その研ぎ澄まされた疾走感はスリリングの一言。そのインパクトは、イントロのカッティングから矢継ぎ早に展開していく#10「Flux」や、ナルシシズム溢れる歌メロの光る#12「Susurrus」で特に顕著。ファルセットを絡めるヴォーカルの甘さも存在感たっぷりで、ポストハードコアの攻撃性から音圧だけを丁寧にろ過した様な緊迫感は無類。くぐもったコーラスから幕開けで爆発する#1「Plastik」冒頭のリフや粘りのあるリズムでヘヴィに畳み掛ける#7「Oxygen」等、よりハードコア然としたパートも散見されるが、主軸となるのはやはりソリッドなクリーントーンサウンド。

また、そう言ったアッパーチューンをアルバムの要に据えつつ、先述の「優男風ロック」も、これで中々無視できない。スカッと明るい#4「I Am That I Am」#8「Loopwhole」での、ころころと跳ねまわりそしてふいにとろける変幻自在の歌メロ。何とも言えない青春のスケール感が眩しい。

アルバムの端々に少しずつ散りばめられたノイズ/エレクトロの要素も良いアクセント。
エモーショナルなロックが、その華奢な佇まいで前のめりに攻めていく。そんな不思議なパワーに満ちた今作は、ディストーションやシャウトだけが攻撃性を表すのではないとその身を以って照明してくれている。

【for fan of what ?】
そのスリリングな疾走感においてThe Mars VoltaClosure In Moscow、ヴォーカルの甘さに何処となく共通点を感じるMuse辺りのファンに是非にと推したい。また、本国のレーベル紹介ではRefusedMeshuggahの名前が挙がったり、国内盤帯ではToolが引き合いに出されたりと、様々なジャンルに渡り一筋縄でいかないメンツばかりが揃っているのがミソである。友人曰く「アンプラグドのProtest The Heroという評も紹介しておきたい。

【↓here is the sound !↓】 曲リストも追記にて。
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パスピエ ♪「演出家出演」

2013年09月16日 00:00


【Artist】パスピエ >official<
【Title】演出家出演
【Rate】10/10

Pop / Rock / Progressive

『21世紀流超高性能個人電腦破壊行歌曲』を標榜する国産5ピースロック:パスピエによる、2013年作1stフルアルバム(自主制作・ミニアルバム含めると4作目とのこと)。

テクニカルなアンサンブルとキャッチーな曲展開のバランス。そんな邦楽ロックの現在進行形とも言えるスタイルをベースに感じさせつつ、それだけでは終わらない隠し味が実にニクい。一聴して強く印象に残る、ヴォーカルのキュートで甘い、そしてミステリアスな歌声。キーボードの華々しいフレーズがひゅるひゅると飛びまわる爽快ナンバー#1「S.S」や、歌謡ロックなはんなりメロディーのリフレインに乗せてギターのリフが鋭く切り込む#8「はいからさん」などなど、ワイワイとした賑やかさが颯爽としたリズムと合わさり、何とも言えないのどごし良いスピード感を生んでいる。

一方で、ドラマチックな盛り上がりを演出する緻密なアレンジも無視できない。朝霧の晴れていく様な清涼感と切々と繰り返されるリフレインが不思議と涙を誘う#2「名前のない鳥」や落ち着いたテンポでディスコするベースラインに夢見心地な歌声が漂う#4「シネマ」など、快活さと影のある扇情とを行き来するメロディーが余韻を残す。そしてラストの#11「カーニバル」では悲しみのフェードアウト・・・と思いきやおもむろに勢いを付け、くるくると表情を変えていく。元気な大団円まで走りきってくれるフィナーレは痛快の一言。

「ドビュッシーのような印象主義音楽とポップ・ロックを組み合わせた音楽を作りたい」というバンドコンセプトも耳に新鮮。難解さをチラつかせながらの人懐っこさも楽しく、複雑かつ明快、邦楽ならではなポップセンスの妙を見せつけてくれる快作。

【for fan of what ?】
颯爽とした疾さやキーボードの鮮やかさにおいてSchool Food Punishment、プログレッシブな複雑さではモーモールルギャバンゲスの極み乙女。辺りのファンにお勧めしたい。
・・・ちなみに、筆者は友人にYUKI東京事変を足して二で割った感じ!!」と誇らしげに推した挙げ句に「それはハードル上げすぎでは」と突っ込まれたという事も付記しておく。

【↓here is the sound !↓】 曲リストも追記にて。
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